【完】矢野くん、ラブレターを受け取ってくれますか?
「よかったね、恋が叶って」
「い、いや、その手紙は……」
誤解を解こうと震える声で言った。
「なんか言いたいことでも?」
「な、なにもありません!」
ど、どどど、どうしよう。
つ、付き合うことになっちゃった。
でも怖くてカン違いだなんて言えない。
「そ。じゃあ行くよ」
「……へ?」
「1時間目はサボりなよ」
無表情の彼がなにを考えているのか、全くわからない。
「え!?む、無理ですよ!」
単位とか落としたらダメだし……。
「いいからサボりなって」
「う……っ、は、はい……」
あまりの迫力にうなずくしかなかった。
「行くよ」
矢野拓磨に連れられて、屋上へと入った。