涙がこぼれる季節(とき)【完】
<吉崎修太郎>


今日は本当に、今までで一番緊張した。


水沢の笑顔がオレに向けられるなんて、初めてだったから。


K高のマネージャーになって甲子園に行くのが夢――。


瞳を輝かせていた水沢は、ほんとうに可愛かった。




……K高か。




甲子園出場が決まって大喜びしている水沢の横に、K高野球部のユニホームを着た、オレ。



妄想――いや、これを実現するのは、決して不可能なことではない。


それに、小学生の時から野球をやってきたオレには、甲子園に対する憧れも当然あった。




K高野球部に入る――。




そして、甲子園出場に――水沢の夢を叶えることに、全力を尽くす――。



オレは決意した。

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