森田当麻の奇妙事件簿

「……知ってたらこんなところにいないよ。母さん。どこに……」

優衣が思うに、和樹は香織のことが好きで紀之は嫌いだったのだろう。

優衣の視線に気付いたのか、和樹が笑顔に戻る。

「こんなしけた話しないで俺と楽しいことしようよ」

和樹は優衣の肩を抱いた。

優衣はその手を剥がそうとするが、力が足りない。
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