森田当麻の奇妙事件簿
*
雨が降り続いていた。
男は誰もいないことを確認し、ガレージの隅に置いてあった灯油缶の中身をアスファルトにまいた。
灯油が辺り一面に広がる。
男は上着のポケットからライターを取りだし、火をつけた。
暗いガレージが火によって、照らされる。
「終わりだ……」
細く笑んだ、そのとき。
「やっぱりあなただったんですね……」
ガレージのシャッターがゆっくりと開いた。
雨に濡れ、シャッターの向こう側にいたのは……。