Le Petit PrincesseII
ルドルフは城に戻ると、早速父からの説教が始まった。


だがルドルフは、さっきまで遊んでいたクリスティーナと母親の悲しそうな顔が頭から離れなかった。


二人はルドルフを助けたはずなのに汚い娘と罵られ、お礼の一つも言ってもらえなかったのだ。


きっと二人は自分達を恨んでいるに違いない、幼いながらもルドルフはそう思った。

そしてお世話になった相手にお礼も言えなかった自分を、恥ずかしいとまで思ってしまった。



「ルドルフ!聞いているのか!」


「は、はい…」


「お前はアリティア王国の後継ぎとしての自覚が足りない!後を継ぐのはルドルフ、お前しかいない!」


ルドルフの父であり、アリティア王国の国王は気難しい人だった。

頑固で自分の意志を曲げないような性格だ。


「私の後を継ぐ、お前はその為に生まれてきた。それがお前の使命だ!」


父はそう言い放つと、ルドルフの部屋を出て行った。
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