裏道万屋の事情
「ふ〜ん…聞いてた通りマジで女々しい奴だな、お前。男のくせにこんなに細い腕だし。」

「ってかこいつ弱すぎて俺の出る幕ねぇじゃん。お前に任せるわ。」



悔しい……!!!!


こんな奴等に負けるなんて!!



「こんな体勢だけど、生憎俺は男を襲う趣味はねぇんだ。悪いな。」

『何故に謝るーっ??!!』



ってか…男っていう設定で良かったああぁ!!!!


今になってユウさんに感謝だ。


けど逆に、ここまで接近しといて女だってバレないって何事??


あたしに女の魅力が無いってことかコラ。



「…まぁそういうことだから、さっさとあそこから落ちてもらおうか??」

『……………は??』



あそこって……


まさか……



「さっさと立て、軟弱男。」



両腕を後ろに回され、手をしっかりと掴まれたまま立たされるあたし。



そして崖に向かって強制的に歩かされる。





ちょっとちょっとちょっと〜??!!



嘘でしょ〜っ?!



あたしあそこから落とされたら確実にジ・エンドなんですけどー??!!



だってあたし水泳だけはマジで苦手なんだって!!



他のスポーツ全般は平気だけど、本当カナヅチなんですってばー!!!!





小・中・高って水泳の授業の時、できなさ過ぎて先生を泣かせてきましたから〜!!!!



…あ、これマジで。
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