裏道万屋の事情
この状況の中でもそんなことを考えられるあたしってやっぱり只者じゃないなー。


叶 菜子マジ凄いなー。



とか思っていたら、後一歩でジ・エンドな位置まで連れてこられていたあたし。





ぎゃあぁっ!!!!


いつの間にぃっ??!!



『人を殺す気か?!』

「下は海だ。死にゃぁしねぇって。」

『あた…俺は泳げないんだっての!!』

「はぁ??泳げねぇ奴が海の家で働ける訳ねぇじゃん。」



ごもっとも!!!!



だがしかし、


…強制労働だったんだもの〜!!!!



「…さて、お話はここまでだ。」



あたしは下を見た。


そこには深そうな海が広がっている。


こんなところに落ちたら確実にあたしは――…





そして、























「じゃあなっ、軟弱男。」



ドンッと背中を押され、あたしは空中に放り出された。



















助けて……



嵐………!!!!















『きゃああぁぁぁぁ〜〜!!!!』





「……きゃ……」

「……きゃあ………??」



ポカンとした表情の男達。


その横を何かが凄い速さで通り過ぎ、菜子の落ちたすぐ後を追うように崖の下へ飛び込んでいった。



「え……」

「あいつって……」
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