見えない異変
それから数日して、私は必死で美帆がいた証を探し始めた。

一緒に行ったところにも行った。

美帆がいたときはあんなに楽しかった場所が、今は懐かしさと虚しさで一杯になり苦しかった。

それでも私は美帆と一緒に行ったところ全てに行った。

スマホもパソコンも全て探した。

専門のところに依頼もした。

失踪者の情報のあるサイト全てを探した。

やれることは全てやった。

けれど、どこを探しても、美帆も、美帆のいた証もなかった。

けれど、やはり私の中には確かに美帆との思い出がある。

それは幻覚や空想にしてはやたら艶めかしく現実味を帯びていた。

それなのに、全て幻覚だったというのか。

とても信じられなかった。
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