On Your Mark
この戦争に僕たちは一体何の関係があるというのだろう。



僕たちというのは僕やイビル、レイだけのことではない。

ペスチニア軍に所属し、ただひたすらにユーシチール軍に銃を向けている兵士たち。

銃を向けられているユーシチール軍の兵士たち。

僕たちは互いに何も知らないままに、ただ国のためだと銃を向け合っている。

そうしなければ自分が殺されてしまい、仲間や家族をも殺されてしまうのだ。

しかし、銃を向け合う本質的な意味を理解しているのだろうか。

国のためだという軍人を何人も見てきたが、それでは国は何のために僕たちに銃を向け合わせるのか。



何も分かっていない僕がそんなことを言ってもどうしようもないが、こんな戦争に意味など持たなくなってしまっている。

寂しい世界に生まれてきてしまった、この運命をただひたすらに呪いたくなる。
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