On Your Mark
「不利には変わりないけど、圧倒的ではないぜ。

少なくとも、今からしばらくはな」


「何故だい?」


「イビル、お前が前に言ったよな。

ソラが羽根を広げて飛ぶときだけ、居場所が分かるって。

つまりペスチニア軍にはまだ俺たちの居場所は割れていない。

だけど、こちらは作戦を把握しているから、両国の軍隊がどこにいるか分かっている」


「だけど・・・それはあくまで今のことだろうが。

これから先はどうするんだよ」


「考えればいいさ。

道具や能力だけに頼るんじゃない、自分たちで考えるんだよ。

自分たちの道は自分たちで切り拓くんだ」


腕を掴んでいたはずのソラが、今度は思い切り僕の体に手を回して抱きついてきた。

僕は恥ずかしくなり顔を真っ赤にし、それを見て二人は笑いながら北へと歩き始めた。



結局、僕たちの答えは決まっていたのだ。


「おい、待てよ」


だからこそ、この三人ならソラを連れて行けると思えるのだ。
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