On Your Mark
「任しとけ」


レイがソラの前に行き、手を差し伸べた。

ソラは少し困ったような表情になったが、レイの笑顔を見て和らいだ。


「おんぶかお姫様抱っこ、どっちがいい?」


言葉じゃ分からないだろうから仕草で行動を示していたのだが、それをするレイが面白おかしく、思わず吹き出して笑ってしまった。

それはどうやらイビルも同じだったらしく、二人で腹を抱えて大笑いする。



笑われて恥ずかしがっているレイにソラが近付き、そっと肩に手をやり背中に寄り添った。


「オッケー、おんぶなら何十キロだろうと任せろ」


二人とも嬉しそうに笑っている表情が、何とも微笑ましかった。

それは戦争とは全く関係ない世界の兄妹のように映り、僕の胸を熱くさせた。
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