On Your Mark
レイがソラをおぶって歩いてくれたおかげで、僕たちはイビルの指示した場所にどうにか六時間以内に辿り着くことができた。


「あと、三十分ほどかな」


「おい、こんなところでどうするんだよ」


「言っただろ、とびきりの移動手段が手に入るチャンスだって。

実は僕が第四防衛ラインに配備される前は、このラインに配備されていたんだ」


「ということは・・・」


「毎日この時間に見回りに来ていたから、今日も恐らくは・・・」


「なにで来るんだ」


「航空機だよ。

それも六人乗り」


「六人も来られちゃ、その航空機を借りるのは一苦労だな」


「いや、来るのは二人。

あわよくば一人かもしれない」


ここまで話が来れば三人の考えることは一致しているだろう。



見回りで航空機を離れる兵士と、航空機に残る兵士。

この二人を僕とレイで気絶させればいい。

どちらがどちらに付くかは、そのときに考えればいい。
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