龍×蝶

玻離「天河が見たことあらへん金髪美女と朝飯食いよるっ‼」

桃廉「えっ、ちょっ、誰なのその女の子っ‼」

天河「ああ、こいつは……」

私は天河の言葉を遮って勝手に話しはじめてた。

『とりあえず、みんなおはよ。玻離はやっぱり朝からうるさいんだね。少しは人の迷惑考えて。うるさすぎる。頭に響くから少し静かにしてて。』

玻離「す、すまん…って、なんで俺のこと知ってるや!?」

少しも黙ることをしない玻離を私はムシして話しを進めようとした…

蒼玉「あなたほ一体誰ですか?この部屋は天河と翡翠さんの部屋ですよ?」

蒼玉は最初よりも落ち着いていてある程度冷静に質問してきた。

『あれ…蒼玉もわからない?さすがにもうそろそろわかってると思ったんだけど…天河も驚きはしたけど、案外早くわかったから……』

蒼玉「…意味がわかりません。あなたは私があなたを知っているとでも言いたいんですか?」

『おっ…さすが蒼玉っ。あたりだよ。ね、天河。』

天河は笑いをこらえているのかうなずいただけだった。

蒼玉「天河、どういうことですか?きちんと説明してください。」

天河「ククッ…まだわかんねえか?まあ、結構動転してるみてえだししゃあねえか…」

蒼玉「っ…‼ですからわからないので誰かと聞いているんですっ。」

蒼玉は少し声を荒げて天河に言った。

天河「ククッ…まあ、そんなに怒んなよ。で、どうする?ヒントでもやるか?」

『……天河。蒼玉のことからかって楽しんでるでしょ。』

天河「ククッ…まあな。」

『はぁー…じゃあヒントね。私は今とは少し違う姿で最近みんなとまともに話した女の子。』

蒼玉「最近まともに話した……?」

少し悩んだあと蒼玉はなにか思い付いたような顔をした…

蒼玉「まさかあなた……いや、でも……」

玻離「なんや蒼玉。なんか思い付いたんか?」

蒼玉「えっ、ええ……ですがあまりにも印象が違うといいますか……」

玻離「とりあえず誰やねん。きかせてえな。」

『私もききたいなー……』

蒼玉はそんな私の言葉をきいて緊張した面持ちで言い出した……
蒼玉「…翡翠さん、であっていますか?……」

『おっ……せいかーい。蒼玉に対してヒント出しすぎちゃったかな?』

天河「そうかもな。」

玻離と桃廉はなにか騒ぎながら凄く驚いていて、黄玉は開いた口が塞がらない状態だった。

玻離「ほんまのほんまに翡翠なんかっ?!」

『そうだよ。』

桃廉「わかんなかった……」

玻離「俺ら、知らん間に金髪美女におうてたんやなっ。」

桃廉「ほんとほんとっ。それだけは玻離と同意見だよっ‼」

玻離「黄玉はどうや?美女やと思うやろっ?」

黄玉「別に……。」

蒼玉「しかしなぜ天河は知っているんですか?」

天河「ああ、それは…………」

『ちょっと私がドジっちゃっただけだよ。』

蒼玉「そうですか。」

『それよりもみんな……黙っててごめん。でも昔から学校とか外とかではあの姿だったから……』

蒼玉「別に気にしてません。なにか、理由があるんですよね?」

『うん……。私のこの姿は他の人たちと異なり過ぎているから兄妹たち以外と外にいるときはいつも変装してる。この姿は多くの人にとっては気持ち悪くて、化け物みたいで、不快みたいでね…………いつも避けられて、きらわれてたんだよね。まあ、あまり気にはしてなかったけど………』

玻離「俺には翡翠の髪と目を嫌うやつらの気持ちはわからへんわ。」

『どうして?まあ、金髪は外国の人たちにも多くいるからわかるけど、目の色は私、異常だよ?』

玻離「ほうか?俺は好きやけどなー。翡翠は嫌いなんか?」

『………そんなことないよ。この髪も右目の赤もパパからもらった大切なもの……でも、左目の青は……きらい、かな………………』

桃廉「そうなの?残念。僕も好きだよ。むりろ、ちょっと羨ましいかもっ。」

蒼玉「そうですね、私も一緒です。もちろん黄玉も。そうですよね?」

黄玉「…嫌いではない。」

私はみんなの言葉を聞いて、泣きそうになるのを我慢しながらお礼を言った。

そして天河は得意そうに「な、だから言ったろ。こいつらなら大丈夫だから信じろって。」そういった。

『そうだね…じゃあみんなにも話したことだし、遅刻してはいるけど、学校行こっか。』

それからそれぞれの部屋に戻り準備をすることになり、10分後に下でおちあい登校した………………


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