心の裏側と素肌の境界線を越える為に
俺は…卑怯だった。


あの人と別れた時、美佳に優しさを求めたのだ。

それは、無意識だったけど、残酷だった。

いつも、いつも…美佳には、残酷だったのだ。

なぜなら…俺は、美佳を一番には愛せないから。


それなのに。



「だとしても、おれは!太一のことを!」

さらに近付き、すがりつこうとする美佳を、俺はよけた。

「ごめん…。俺は、片桐が一番好きなんだ」

よけながら、何とか口にした言葉から、美佳は逃げるように走り出した。


だけど、追うことなんてできない。
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