心の裏側と素肌の境界線を越える為に
自分のお腹の辺りを確認し、

「大きくなる前だから…できなかったし…妊娠線も」




そんな片桐の言葉も、俺には聞こえない。

意識が、飛んでいた。



結婚って…。

おかしいだろ。

いや、おかしくないのか。

女は結婚できるのか。

ということは。


キョロキョロと部屋を見回す俺の様子に気付いた片桐は、

「もうとっくに、離婚してるから…この家には、あたししかいないわよ」

おかしそうに笑った。

そして、そのまま上から、俺に覆いかぶさった。

「おい!」

俺は、布団に背中から倒れた。

片桐は、俺を抱き締めると…耳元で囁いた。

「誤解しないでね…。離婚後、こうなったのは、あなただけだから」
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