一週間、魔法使いになります。



 これが、アイフル……。

 すごい、空中に、しかも立体的に映し出されるなんて……。



 瞬きをする女王さまが繋がっていることを示してくれてる。

 
 あたしは興味本位で、三〇センチほどの人形サイズで映る女王さまに手を伸ばした。
 
 横にスライドさせたあたしの手は、女王さまをすり抜ける。

 やっぱり実体はないか……。



 ……って女王さまあたしの方、向いちゃってる。

 ヒヤリと冷たい水晶玉を反対に回しても、女王さまはこちらを向いたまま。

 
 仕方がないので、ママと同じ方向を向いて立つことにした。



 魔法のアイテムに夢中だったあたしは、しばらくしてからママのおかしな様子に気が付いた。


 女王さまに釘付けになっていて、見つめる目は、ミミさんを見ていた時よりも暗く染まっている。

 そんなママを見て、女王さまはクスッと微笑んだ。



「久しぶり、姉様」



「……ドリア」



 その笑みはまるでママの反応を面白がっているようで。少し、怖いと感じた。


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