一週間、魔法使いになります。
「も、もう忘れてしまわれたんですか……!?」
そ、そんなに驚くことかね? そんなこと言われても、忘れてしまったものは仕方ないじゃん。教えてよ。
返事はせず、ただミミさんの言葉を受けてぶすっとしていたら、困った様に微笑まれる。
この笑みは馬鹿にしてるわけじゃないよね。
「水晶玉を三回突くんですよ」
「あ、あぁ〜! そんなんだったね、ありがとー!」
聞けば、そんなことを言われた記憶が蓋を開いて現れる。
早速、ママの気が変わらないうちに行動に移すことにした。
えっと、水晶玉を三回突く……。
手の平の透明のような、かすかに碧が光る様な水晶玉を、ノックするリズムで爪で突(ツツ)いた。
すると透明な球体の奥が光ったような気がして、――――水晶玉上に女王さまが浮かんでいた。
いや、浮かんでいたというよりも、なにかに映し出されているような感じと言ったほうが正しいだろうか。