歪な愛のカタチ


「仁?」
「あ、そっか……」

俺の部屋のベッドに移動して、覆い被さるようにしてキスをして。
ふと動きを止めて、杏奈?と呼び掛けた。



「今日はいっぱい愛してもいいですか?」
「え?な、に?」
「ほら、安全確認しとかねぇと」

俺がニヤリと口角を上げれば、意味分からない、と杏奈がペチッと俺の腕を叩いた。




潰さないように気を付けながらもその身体に跨って。
顔のすぐ傍に手を付いて、逃げられないように囲い込んだ足。

射抜くように真っ直ぐに見つめる双眸と、愛しい名前を呼ぶ声。


常にふざけてる俺だけど、杏奈を愛する気持ちだけはマジもマジで大マジだから。




「一週間分、たっぷり愛したいから覚悟しろよ?」

俺がニヤリと笑ってそう言えば、真っ赤な顔がとろけそうな笑顔になる。


「ばかっ」

どうやって聞いても甘えるような口調で俺を責めた杏奈は、首に巻き付けた手を引き寄せる。



ちょっと素直じゃないところもどうしようもなく可愛くて、知らず知らずのうちに顔がデレっとしてしまいそうになる。
愛しくて愛しくてたまらないこの気持ちが少しでも伝わるように、と願って、俺は杏奈の唇をゆっくりと塞ぐのだ。






**おわり**



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