魔王の娘が勇者になりたいって変ですか?
「きゃは!貴方もう回復したの?
 私の回復力よりさらに回復力があるのね!
 いいわ、とってもいい。
 とってもクレイジーじゃないの!」

 クレイジーが、そう言って釘を何発もかみさまに向かって放つ。
 しかし、それはかみさまに届くことはなかった。
 かみさまに当たる少し前でその釘が、落ちていく……

「さっきは、テンションが下がっていたからな。
 ダメージが通ってしまった……
 だが、今の余は怒りでテンションMAXだ!」

 かみさまのフェアリー、テオス・フィリアが輝く。

「あら?あらあらあら?
 もしかして、怒りだけで、クレイジーの釘を防いだ?」

 女性が、楽しそうに笑う。

「バビロン……
 余は、お主を許さぬ!」

「どう許さぬのだ?」

 女性の目元が、緩む。

「……お前たちを倒す」

 かみさまが、その女性を睨む。

「主には出来ぬよ」

 女性は、そう言って無数の扇を投げる。
 しかし、その扇もかみさまの放つバリアにより防がれる。

「効かぬ!
 かみさまバリアの強度は、主らにもわかるだろう?」

 それを聞いた女性の体が一歩引き下がる。

「クレイジー。
 今、無線が入ったわ。
 一旦ここを引くわよ?」

 女性が、そう言うとクレイジーがうなずく。

「私のところにも入ったわ……
 きゃは!今回の一件について、一部のアンゲロスが暴れているようね。
 そっち優先というところかしら?」

 クレイジーが、笑いながら嬉しそうに言った。

「では、さようなら。
 パンドラのみなさま」

 女性は、そう言ってその場を去った。
 それに続いてクレイジーも去った。

「逃げた……?」

 万桜が、そう言うとかみさまがうなずく。

「万桜、追うなよ?」

「そこまで無茶はできないわ」

 万桜が、そう言って苦笑いを浮かべる。

「うむ。
 懸命だ」

「あのクレイジーともうひとりの女性のこと知っているの?」

「ああ。
 ヤツの名前は、大淫婦バビロン。
 テオスの幹部のひとり。
 かなりの腕の持ち主だぞ……」

「そう……」

 気が抜けた万桜は、フェアリーを解除した。

「万桜。
 大丈夫か?」

 かみさまもフェアリーを解除し万桜のそばに近寄った。
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