初恋 二度目の恋…最後の恋
インターフォン越しに聞こえる高見主任の声はすこしくぐもっていて、別の人の声に聞こえる。何か言わないといけないと思いつつも言えなくてどうしようかと思っていると、急に自動扉が開いた。
『話は上で聞くから、上がっておいで』
高見主任の優しい声に頷くと、インターホンが切れる音がした。柱の方を見ると小林さんはニッコリと笑い、折戸さんは苦笑する。まさか何も言わない私に高見主任がオートロックを開けてくれるとは思いもしなかった。
「やったね。坂上ちゃん。早くいこ」
「これで共犯だね。坂上ちゃん」
今からのことを想像して私は血の気が下がっていくような気がしていた。エントランスの中に入ってエレベーターの前まで来ると、私たちを待っていたかのようにドアが開く。高見主任の部屋のある12階までは一直線に上がっていく。高見主任の部屋はエレベーターを降りて少し歩いたところ。
ドアの前に立つと躊躇する私の横で小林さんが意気揚々とインターホンを押す。そしてしばらくして、ドアが開かれた。
私服の高見主任はいつもの厳しい雰囲気は全くなく、ただ、穏やかに笑っている。私たちを見つめると全く驚いた様子さえ見せない。少しは驚いてくれてもいいのにと思った。
「坂上さんいらっしゃい。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。カメラに蒼空が映っていたから無理やりに連れて来られたのは分かるから」
高見主任の方が一枚上手だった。
『話は上で聞くから、上がっておいで』
高見主任の優しい声に頷くと、インターホンが切れる音がした。柱の方を見ると小林さんはニッコリと笑い、折戸さんは苦笑する。まさか何も言わない私に高見主任がオートロックを開けてくれるとは思いもしなかった。
「やったね。坂上ちゃん。早くいこ」
「これで共犯だね。坂上ちゃん」
今からのことを想像して私は血の気が下がっていくような気がしていた。エントランスの中に入ってエレベーターの前まで来ると、私たちを待っていたかのようにドアが開く。高見主任の部屋のある12階までは一直線に上がっていく。高見主任の部屋はエレベーターを降りて少し歩いたところ。
ドアの前に立つと躊躇する私の横で小林さんが意気揚々とインターホンを押す。そしてしばらくして、ドアが開かれた。
私服の高見主任はいつもの厳しい雰囲気は全くなく、ただ、穏やかに笑っている。私たちを見つめると全く驚いた様子さえ見せない。少しは驚いてくれてもいいのにと思った。
「坂上さんいらっしゃい。そんなに緊張しなくても大丈夫だよ。カメラに蒼空が映っていたから無理やりに連れて来られたのは分かるから」
高見主任の方が一枚上手だった。