初恋 二度目の恋…最後の恋
「何をしたんだ?」


「海で遊んできました。ペットボトルの水で洗ったけど、高見主任の部屋を汚してはいけないと思って」


 高見主任のマンションは掃除が行き届き、比べる対象がないのであくまでテレビとかで見たのが比較なのだけど男の人の住むマンションにしては綺麗な方だと思う。さっき洗ったとはいえ、あくまでもペットボトルの水なので綺麗とは言えない。


「この季節に海に入る物好きは蒼空くらいなものだろう。さっさと洗ってこい」


 折戸さんの視線が私にチラッと投げかけて…。私も高見主任のいう物好きの仲間。さっきまで子どものように一緒に遊んでいて、私も足を洗いにいかないといけないのだけど…。



「坂上ちゃんと一緒に海で遊びました。」


 私が高見主任にいう前に先に小林さんが嬉しそうに海で遊んできたことを言う。高見主任は私も一緒に海に入ってきた物好きの仲間とは思わなかったのだろう。視線を感じる。



「じゃあ、蒼空と坂上さんは先にバスルームで足を洗っておいで。別に俺は洗わなくていいけど、蒼空がそんなことを言うってことは坂上さんも気になるでしょ。遠慮しなくていいから」


 折戸さんにペットボトルのミネラルウォーターを貰って洗ったけど、もう一度綺麗にしたほうがいいと思ったので、素直にバスルームを借りることにした。でも、初訪問でバスルームを借りるというのも恥ずかしかった。


「すみません。お借りします」


「どうぞ。タオルは好きに使っていいから」


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