初恋 二度目の恋…最後の恋
「こんなに買うんですか?」


「うん。だって、もうコンビニに来たくないでしょ」


「余りません?」

「たぶんちょうどいい」



 これでちょうどいい?
 結局買った量は私の想像よりも四倍ほど多かった。ビールだけでなく、酎ハイとかもあるし、ワインも入っている。日本酒に焼酎もある。こんなに買うとは思わなかった。


 たくさんのお酒の入った袋を小林さんは軽々と持つ。そして、小さな袋に入った新作スイーツを私に持たせたのだった。中には私の分と小林さんの分が入っていて高見主任と折戸さんの分はいらないらしい。


『高見主任のスイーツはさきいかにしよう』


 そんな小林さんの言葉に一緒に笑ってしまった。


 買い物を終わらせてコンビニを出ると、まだ、壁際には熱烈なカップルがいて、それを見ないようにして歩く私の横で小林さんはクスクス笑い出す。


「何が可笑しいんですか?」


「さっきのカップルの女の方。あれって多分男」

「え。」

 
 綺麗な巻き毛。気合の入った化粧。女の私から見てもドキドキしてしまうほどの綺麗な身体のラインが男とは到底思えない。彼女を抱きしめている男の人は愛しいという雰囲気を醸し出していて…。


「羨ましいかも」


 つい零れた本音に小林さんは本格的に笑い出す。でも、本当に目のやり場に困るくらいに綺麗で、熱烈で…私の心臓を跳ねさせたのは間違いない。でも、本当にあれで男の人なんて…。


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