初恋 二度目の恋…最後の恋
「高見主任のベッドは却下です」


 折戸さんは冷静にバッサリと言葉を落とすと、高見主任はとっても嬉しそうに微笑む。微笑みながらも透明の液体はコンスタントに消えていく。


「どうする美羽ちゃん?」


 そんなに言われてもやはり申し訳ない気持ちが大きい。私と折戸さんのマンションは近くはない。私のマンションまで送ったら、折戸さんはまた逆方向に戻ることになる。自分で帰れると言おうと思って顔を上げるとそこには酔ってはいるけど、絶対に折れてくれそうな気配はない。

 
 躊躇する私に折戸さんは少し怖い顔をして、鋭い視線が私に突き刺さる。


「帰らないなら。和室に隔離するよ。その時は俺もここに泊まる。高見主任のマンションのリビングは広いからいくらでも泊まれる」


 私には選択肢はない。


 折戸さんに送って貰うか。和室に隔離。和室に隔離なら折戸さんまでお泊り。


 私の選択は決まってしまった。選択した理由はどちらかというとこっちの方が迷惑が少ないというだけ。



「折戸さん送ってください」


 折戸さんは満足げな綺麗な微笑みを向けると私の頭をゆっくりと撫でるのだった。折戸さんは本当に甘やかすのが上手だと思う。頭を撫でられると、大したことをしてないのに褒めて貰ったような気になる。


「いい子だね。じゃあ、今からタクシーを呼ぶから」


 私を空いているソファに座らせると、折戸さんは携帯でタクシーを呼ぶ。すぐに電話が切れるかと思ったけどそうではなくて、折戸さんが電話を切ったのはしばらくしてからだった。

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