初恋 二度目の恋…最後の恋
「それならよかったよ。またどこかに遊びに行こう」



 折戸さんの言葉に頷く。男の人と一緒に遊びに行くというのも、高見主任のマンションで一緒に飲んだりしたのも緊張はしたけど楽しかった。


 こんなに遊んだのも、こんなに笑ったのも始めてのことで、今日という一日が終わるのを惜しいと思う。もう日付は変わっているけど、まだ私の中では楽しい一日が続いている気がする。



「タクシーでいいのですか?代行で帰るかと思ってました」


 私はタクシーの中で気になっていることを聞く。それは折戸さんの車のことだった。最初は代行で帰ると言っていたのに、今はタクシーの中。あの車はどうするのだろう?


 私がそういうと、折戸さんはクスクス笑う。タクシーに乗った今、今更って感じもする。だけど聞かずにはいられなかった。



「代行でもいいけど、どうせ、明日、蒼空を迎えにきてやろうと思うからいいんだよ」


「小林さんをですか?」


「ああ。迎えにいかないと高見主任が送らないといけないだろ。月曜日から高見主任は出張だから、迷惑は掛けられない。それに蒼空を迎えに行ってやりたい気持ちもある。蒼空を満ていると弟がいたらこんな感じなのかとさえ思うよ」


 小林さんが弟。確かに雰囲気的にはそうだけど、小林さんの方が身長も高いし体格もいい。それなのに、折戸さんの方がお兄さんという雰囲気は間違いない。それに、折戸さんの行動にはきちんとした理由がある。全て先を見越しての事だとすると凄いとしか言いようがなかった。

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