初恋 二度目の恋…最後の恋
「今回のは凄いな。研究所の中垣がかなりの切れ者という話は聞いたことがあるけど、ここまでとは思わなかった。成果発表会をするというから、どれほどかと思っていたけど、想像を超えていた」

 
 高見主任は今回の研究結果にひどく興味を持ったらしい。それは折戸さんも一緒で、貰った資料を興味深く見つめている。営業室には資料を捲る音だけが響いていた。私も貰った資料を見たけど、見れば見るほど中垣先輩が頑張って成果を上げたのが分かる。


「いや。本当に凄いと思うよ」


 折戸さんも感嘆の声を漏らす。じっくりと真剣に資料を読んでいたのだった。


「本当に中垣先輩は凄いです」



 そんな営業室に戻ってきたのは小林さんだった。小林さんは高見主任を始めみんなが資料を捲っているので、小林さんも持っていたバッグを机の上に置くと、資料を手に取り、パラパラと捲る。


「これは凄い。この数値って今までのを軽く超えましたよね。これなら競合しても勝てる」


 それは誰もが思うことだと思う。主力商品を試験段階ではあるが、10パーセントは効率が良くなっている。画期的という以外に言葉はない。私が研究していたものを更に中垣先輩の手によって完成度を増している。今日はそれの中間発表という感じ。



 取締役たちも満足の内容だった。

< 155 / 303 >

この作品をシェア

pagetop