初恋 二度目の恋…最後の恋
「坂上ちゃん。明日は俺との同行だからよろしく」


「はい。頑張ります」


 折戸さんの言葉は私がここにいる意味があると言ってくれていた。お祖母ちゃんの事が心配でたまらない私は自分がどこにいるのかも分からなくなるほど不安になる。でも、折戸さんの優しさが私の居場所を教えてくれる。


「俺ともリベンジがあるから」


 そう言ってくれたのは小林さんで、小林さんはお祖母ちゃんの事を詳しくは知らないと思うのに、ふと、零してくれた言葉は優しかった。


「もちろんです」


 頭を下げてから会社を出ると、さっきよりも少しだけ前を向いて歩いている私が居る。お祖母ちゃんの事を考えると不安なのに、たくさんの人の優しさが私を支えてくれていた。


 病院に着くと、ベッドにお祖母ちゃんは横たわり、ドアが開いたのに気付いたのか、少しだけ身体を起こそうとする。


「美羽。来てくれたんだね」


「お祖母ちゃん。寝てて」


 お祖母ちゃんの背中を擦りながら泣きそうになるのを抑えるのに必死だった。泣いたら、お祖母ちゃんに悲しい思いをさせてしまうと思うと、きゅっと唇を噛むしかない。お祖母ちゃんには笑った顔の私を覚えていて欲しかった。


「美羽。ご飯は?」


「うん。買ってきた。今日はお祖母ちゃんも少しは食べて欲しいの。少しでも口に入れない?お祖母ちゃんの好きだった煮物を買ってきたの。飲み込まなくてもいいから、味わうだけでも」

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