初恋 二度目の恋…最後の恋
誰もいない営業室は時間の流れが緩やかだった。パソコンで一通りの設定が終わると、本社の中を少しだけ歩いて回った。広い本社だけど、パソコンに入っている見取り図を見ればそんなに難しくもない。新入社員が行うオリエンテーションのようなもの。研究所に入った時も同じようにゆっくりと歩いて回ったのを覚えている。
女子トイレと給湯室。食堂に総務課と経理課。まずはこれがわかればそうは困らないと思う。食堂は人が多そうなので人ごみが苦手な私が使うことがない様な気がするけど、一応場所だけは確認しておいた。
営業室に戻ってくるとフッと息が漏れる。営業室は出た時と同じ静寂に包まれていた。
ファックスも動きを止め、電話も掛かってこない。緊急の用事で何かあったら連絡するようにと言われた営業一課の携帯番号一覧表も今のところ必要はなさそうだった。
私はすることもなくただパソコンの画面を見つめるだけ。このままお昼休みに突入かなと思っていたら、急に営業室のドアがバッと開いた。ノックの音は聞こえなかった。
「ただ今戻りました」
そう言って入ってきたのはさっき紹介してもらった一課の人のうちの一人。でも、名前が憶えてない。
「お疲れ様でした」
「うん。ただいま」
額に汗を流しながら私の顔を見るとにっこりと微笑む。屈託のない笑顔が私に向けられるとドキッとしてしまう。
「あれ?坂上さんだけ?」
「はい。まだ誰も戻られてないです。」
「そっか。珍しく俺が一番か。」
そういうと彼は私の横の席に座ると鞄の中から書類を取り出した。私は横に座る人の名前さえも憶えてない。
女子トイレと給湯室。食堂に総務課と経理課。まずはこれがわかればそうは困らないと思う。食堂は人が多そうなので人ごみが苦手な私が使うことがない様な気がするけど、一応場所だけは確認しておいた。
営業室に戻ってくるとフッと息が漏れる。営業室は出た時と同じ静寂に包まれていた。
ファックスも動きを止め、電話も掛かってこない。緊急の用事で何かあったら連絡するようにと言われた営業一課の携帯番号一覧表も今のところ必要はなさそうだった。
私はすることもなくただパソコンの画面を見つめるだけ。このままお昼休みに突入かなと思っていたら、急に営業室のドアがバッと開いた。ノックの音は聞こえなかった。
「ただ今戻りました」
そう言って入ってきたのはさっき紹介してもらった一課の人のうちの一人。でも、名前が憶えてない。
「お疲れ様でした」
「うん。ただいま」
額に汗を流しながら私の顔を見るとにっこりと微笑む。屈託のない笑顔が私に向けられるとドキッとしてしまう。
「あれ?坂上さんだけ?」
「はい。まだ誰も戻られてないです。」
「そっか。珍しく俺が一番か。」
そういうと彼は私の横の席に座ると鞄の中から書類を取り出した。私は横に座る人の名前さえも憶えてない。