初恋 二度目の恋…最後の恋
 ミーティングは聞こえてくるけど、頭の中には全く入ってこない。頭の中は折戸さんでいっぱいだった。嫌いじゃないし、どちらかというと好きだと思う。 中垣先輩に言われた時とは違うのは分かる。それは折戸さんと積み重ねてきた時間の重みかもしれない。


 心が触れ合うことが多かったからだと思う。


 高見主任の激と共にミーティングが終わると、各自が営業先に行く。残されたのは私と折戸さんと小林さんだけだった。横に座る小林さんはジッと私の目元に視線を移すと少し首を傾けた。


「坂上ちゃん。寝不足?目の下に隈が出来ているよ」


 そんな小林さんの言葉に折戸さんの視線が私に降り注ぐ。そんな視線を感じながら私は下を向いてしまう。昨日は折戸さんのことを考えて寝不足どころか一睡も出来なかった。でも、コンシーラーで綺麗に隠したつもりだったのに、朝一番でばれてしまっていた。


「坂上ちゃんは本当に真面目だよね。でも、ちょっと嬉しいかな」


 そういう折戸さんは私を優しく見つめた。折戸さんに見つめられると顔が赤くなるのを感じる。もう身体中の血が逆流しそう。


「何かあったのですか?」


「俺が美羽ちゃんにプロポーズしただけだよ。一緒にフランスに行きたくて」


 小林さんの問いに折戸さんは凄いことをサラッと言うけど聞いている私と小林さんを硬直させた。小林さんは私と折戸さんを交互に見て…少しの間を置いてから確認するかのような声を出したのだった。

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