初恋 二度目の恋…最後の恋
 小林さんはとっても明るい人だった。私が黙っていても退屈しないようになのか、次々と話しかけてくる。それを聞いていると少しずつ緊張も解れてきて…。自然と笑っている私が居た。


「はい。お待ち。生姜焼き定食二つね」


「え?」


 おばさんの大きな声と共に目の前に置かれた生姜焼き定食のご飯を見て、私は言葉を失った。私の生姜焼きは普通だけど、小林さんの生姜焼きについているご飯は大盛りだった。確かに大盛りといったけど、小林さんのご飯は山盛りだった。


 いくらなんでも多すぎだろう。


 私のご飯の三倍は軽くある。あれが全部お腹の中に入るのだろうか?でも、小林さんは平然としたまま目を輝かせていた。


「相変わらず美味そう。いただきます」


「いただきます」



 私も手を合わせて、一口、豚の生姜焼きを口に入れる。口に広がるのは豚肉特有の甘みと生姜の辛み。その絶妙な加減がご飯を進ませる。



 炊き立てのご飯はホクホク。

 シンプルな豆腐とワカメの味噌汁は心を癒す。

 そして、豚の生姜焼きは…。絶品。



「美味しいです。」


「そうだろ。俺も最初に高見主任に連れてきて貰った時はマジで泣きそうなほど感動した」


 柔和な高見主任がここの生姜焼きを食べるのは想像できない。イメージ的にはワインとチーズを嗜むって感じだ。

< 27 / 303 >

この作品をシェア

pagetop