初恋 二度目の恋…最後の恋
 そのコンパのあった夜に折戸さんから見計らったかのようにメールが来た。心配するからと隠していたコンパの話もなぜか知っていて…。こっ酷く怒られるというか、美羽ちゃんはもう少し自分のことを知ってからでも遅くないからと延々と文章が続いていた。


 コンパの情報の出所は小林さんだろう。たまたま、小林さんからのメールがあって、その返事に『女の子から飲み会に誘われた』とだけ言っていたのに、『もしかしたらそれってコンパ?』と返されて…。嘘を吐けない私は『断りきれなくて』とだけ返していた。
 

 でも、小林さんから折戸さんに私がコンパに参加することをいうとは思えないので、誘導尋問のメールに負けたのではないかと推察する。情報のいくつかを兼ね合わせて折戸さんならコンパを割り出すのは簡単だと思う。



『変な男に捕まったら許さない』と半分脅しのような過保護メールで最後は締められていた。でも、折戸さんの心配は杞憂。一課で無駄に見る目が出来てしまった私は出会う男の人が素敵だとは思わない。本当に格好いい人を知っている私は『変な男に捕まる』なんてことはない。


 このままいくと『恋人なし=実年齢』の記録は更新されそうだけど、それはそれでいいと思う。研究という大好きな仕事もあるし、それも私の人生ではないかと思う。


 今の私は幸せだった。


 
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