初恋 二度目の恋…最後の恋
畳まれた段ボールが徐々に玄関に積み上げられていき、そして、粗方片付け終わると、小林さんのいるリビングを手伝うことにした。ワンルームだけど、大きめのクローゼットがあるので、そこに色々片付けられるよう担っている。小林さんもかなり頑張ったみたいでリビングも寝室もダンボールは残るものの、どうにか生活出来るようになっていた。
私がリビングに行くと小林さんはチェストの前に立ち、左手には小さな箱を手に持ち、右手にはその箱の中に入っていたと思われる一枚の写真を見つめていた。
「それは何ですか?」
「俺の原点」
小林さんはニッコリと笑い、その写真を私に手渡す。そこに写るのはマウンドに立つ野球のユニフォームを来た小林さんの姿だった。その写真を見ながら胸が痛いほど音を立てたのだった。
「甲子園の準決勝の時の写真。俺さ、子どもの時から野球だけをしてきたんだけど、高校の最後の甲子園の試合で肩を壊してプロ野球の選手になる夢が全て消えたんだ。これはその最後の投球の写真。肩が壊れても勝ちたいと思ったのに勝てなくて…神様を恨んだこともある。でも、今はこれもいい思い出だと思う」
小さな箱に片付けたまま時間を止めた写真は久しぶりに陽の目を見たという感じだ。私はその写真を見て、自分の気持ちを抑えるのに必死だった。そこに写っているのはあの時私が初めて恋をしたテレビの中の人が写っていた。
まさか、私の初恋の人が小林さんだったなんて思いもしなかった。
私がリビングに行くと小林さんはチェストの前に立ち、左手には小さな箱を手に持ち、右手にはその箱の中に入っていたと思われる一枚の写真を見つめていた。
「それは何ですか?」
「俺の原点」
小林さんはニッコリと笑い、その写真を私に手渡す。そこに写るのはマウンドに立つ野球のユニフォームを来た小林さんの姿だった。その写真を見ながら胸が痛いほど音を立てたのだった。
「甲子園の準決勝の時の写真。俺さ、子どもの時から野球だけをしてきたんだけど、高校の最後の甲子園の試合で肩を壊してプロ野球の選手になる夢が全て消えたんだ。これはその最後の投球の写真。肩が壊れても勝ちたいと思ったのに勝てなくて…神様を恨んだこともある。でも、今はこれもいい思い出だと思う」
小さな箱に片付けたまま時間を止めた写真は久しぶりに陽の目を見たという感じだ。私はその写真を見て、自分の気持ちを抑えるのに必死だった。そこに写っているのはあの時私が初めて恋をしたテレビの中の人が写っていた。
まさか、私の初恋の人が小林さんだったなんて思いもしなかった。