初恋 二度目の恋…最後の恋
あの時の一瞬の顔は精悍で今よりももっと厳しい顔をしている。肩の痛みを堪えながらの必死の投球。その最後を振り絞るかのような表情に私は恋をした。心を始めて揺さぶった人にもう一度出会えたのは奇跡だと思う。それもこんなに近くにいて…気付かなかった。
小林さんへの思いが今まで以上に込み上げてくるのはあの時の思いがまだ胸の奥に少しだけあったということ。私は顔もハッキリとは覚えてなかったけど、写真を一目見ただけで思い出すあの気持ち。
憧れのような初恋。
「俺は高見主任と折戸さんの出会わなければ、この写真に向き合うことも出来なかったと思う。野球を辞めて大学受験をして、そこそこ成績もよかったから大学に進学したけど、なんとなく空虚を感じる日々だった。でも、営業一課に配属されて、高見主任と折戸さんに出会えて俺は救われた。今の自分で出来ることを頑張ろうってね」
「そうなんですね」
「ああ。この写真も捨てようと思ったけど、ずっと捨てられなかった。でも、今は捨てなくてよかったと思う」
その夜、私は自分のマンションに帰ってから折戸さんにメールをすることにした。なんと書いていいのか分からないくらいに悩んだ挙句に書いたのは…。
『返品はしません』
私が折戸さんに送ったメールは私の気持ちを綴ったものだった。
小林さんへの思いが今まで以上に込み上げてくるのはあの時の思いがまだ胸の奥に少しだけあったということ。私は顔もハッキリとは覚えてなかったけど、写真を一目見ただけで思い出すあの気持ち。
憧れのような初恋。
「俺は高見主任と折戸さんの出会わなければ、この写真に向き合うことも出来なかったと思う。野球を辞めて大学受験をして、そこそこ成績もよかったから大学に進学したけど、なんとなく空虚を感じる日々だった。でも、営業一課に配属されて、高見主任と折戸さんに出会えて俺は救われた。今の自分で出来ることを頑張ろうってね」
「そうなんですね」
「ああ。この写真も捨てようと思ったけど、ずっと捨てられなかった。でも、今は捨てなくてよかったと思う」
その夜、私は自分のマンションに帰ってから折戸さんにメールをすることにした。なんと書いていいのか分からないくらいに悩んだ挙句に書いたのは…。
『返品はしません』
私が折戸さんに送ったメールは私の気持ちを綴ったものだった。