初恋 二度目の恋…最後の恋
「やっと笑った」

「え」


「緊張しているの分かるけど、笑っていた方がいい」


 小林さんと話していると緊張の糸が緩んでいくのは、彼の雰囲気なのかそれとも年が一番近いからなのか分からないけど、ちょっとだけ普通に呼吸は出来る。


 小林さんを見上げると眩しいくらいに優しい笑顔を浮かべている。そんな微笑みにドキドキしながらも


 優しくていい人…。そう思った。



「そろそろ行こうか?あんまり遅いと折戸さんが心配する」


「折戸さんがですか?」


「間違いないよ」


 そう言って、ニッコリともう一度微笑んでからみんなのいる部屋に向かって歩く。私もさすがに帰らないといけないと思ったので小林さんの後ろをついて帰ることにした。前を歩く小林さんの身体をとても大きい。背も高いけど、身体もがっしりとしていて…。

 私のお父さんの背中よりも全然広かった。


 比べる対象が自分のお父さんというのも残念な感じだけど、比べる人はお父さんしかいない。


 部屋に入るとすぐに折戸さんがやってきて、私の目線まで腰を屈めて、視線を合わす。サラッとした髪が揺れているその下には本気で心配したという風な顔がある。


「蒼空に悪さされなかったか?」


「へ?」


 余りにも驚き過ぎて変な声が出てしまった。折戸さんの頭の中はどうなっているのだろう。


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