初恋 二度目の恋…最後の恋
「私がいるから心配しなくていい。ただ、私の言葉に頷き、私の言葉を受け止めればそれでいい」


 驚いて高見主任の方をみると高見主任は真っ直ぐ前を見つめている。その横顔は揺るがない自信に溢れている。高見主任の綺麗な横顔を見ていると落ち着いてくる私がいた。不思議なくらいに心臓の鼓動が穏やかになっていく。そんな私に向かって高見主任はニッコリと笑う。


「私の顔は精神安定剤になるか?」


「はい。ちょっとだけ安心します」


「なら、よかった。そろそろ着くぞ」


 大きなビルの駐車場に車を入れると、高見主任は車を降りた。そして、真っ直ぐに歩いていく。受付で穏やかは声を響かせると、受付の女性は高見主任の顔に釘付け。こんなに格好いい人から微笑まれたら釘付けになるだろうけど、金曜日の高見主任を知っている私にしてみれば、これくらいでは揺るがない。


「お約束はお伺いしています。では、ご案内しますのでどうぞ」


 事前にアポイントを取っていた私たちは豪華な応接室に通された。会社の格になるのはやっぱり受付と応接室なのかもしれない。華美ではないのに格を感じさせるのは選び抜かれた調度品だからかもしれない。


「緊張するかもしれないけど、口角だけは上げておけ。それが今日の坂上さんの仕事だから」


「はい」



 しばらくして入ってきたのは感じの良さそうな男の人。商談相手になる相手だ。

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