初恋 二度目の恋…最後の恋
「さあ。頑張ろうかな」
落ち着いた低く掠れた声が私の耳から心を震わせた。
戦闘開始とでもいうみたいな真摯な声は私の身体の奥に響く。この契約を取りたいと言った折戸さんの真摯な思いの役に立ちたい。
「はい。」
言葉は音にならないかとも思ったけど、そんな自分の声が私たち以外誰もいない廊下に響く。静か過ぎる空間を切り裂き、折戸さんと私はロビーの中に足を踏み入れた。
「お約束していた○○商事の折戸です。製品開発部長の岸田さんはいらっしゃいますか?」
折戸さんの声は自信に満ち溢れていて、そばに居る私でさえも痺れさせる。取引先に受付嬢は折戸さんの華やかな雰囲気に圧倒されしばし、自分の仕事を忘れていた。そして、ハッと息を吐くと深々と頭を下げた。
「お待ちしておりました。ご案内します」
約束の場所はロビーの奥にある応接室。
受付の女の人の視線は折戸さんの顔から離れない。綺麗な受付の女の人は少し顔を赤く染めている。上品な仕草で案内をしながらも、折戸さんの綺麗さは誰の目をも引きよせている。
「こちらでございます。部長の岸田は既にお待ちしています」
「ご親切にありがとうございます」
折戸さんが優しい言葉を零すと、また一層、女の人の頬は赤く染める。
応接室のドアの前に立つと、折戸さんは私の方を振り向いて、眩い微笑みを向けたのだった。
落ち着いた低く掠れた声が私の耳から心を震わせた。
戦闘開始とでもいうみたいな真摯な声は私の身体の奥に響く。この契約を取りたいと言った折戸さんの真摯な思いの役に立ちたい。
「はい。」
言葉は音にならないかとも思ったけど、そんな自分の声が私たち以外誰もいない廊下に響く。静か過ぎる空間を切り裂き、折戸さんと私はロビーの中に足を踏み入れた。
「お約束していた○○商事の折戸です。製品開発部長の岸田さんはいらっしゃいますか?」
折戸さんの声は自信に満ち溢れていて、そばに居る私でさえも痺れさせる。取引先に受付嬢は折戸さんの華やかな雰囲気に圧倒されしばし、自分の仕事を忘れていた。そして、ハッと息を吐くと深々と頭を下げた。
「お待ちしておりました。ご案内します」
約束の場所はロビーの奥にある応接室。
受付の女の人の視線は折戸さんの顔から離れない。綺麗な受付の女の人は少し顔を赤く染めている。上品な仕草で案内をしながらも、折戸さんの綺麗さは誰の目をも引きよせている。
「こちらでございます。部長の岸田は既にお待ちしています」
「ご親切にありがとうございます」
折戸さんが優しい言葉を零すと、また一層、女の人の頬は赤く染める。
応接室のドアの前に立つと、折戸さんは私の方を振り向いて、眩い微笑みを向けたのだった。