初恋　二度目の恋…最後の恋
　なんと返事をしたらいいのだろうか？

　
　折角誘って下さっただけど、躊躇してしまう。この二週間で折戸さんという人がとってもいい人だと私でも分かっている。引っかかるのは折戸さんのこと。

　
　こんなに格好良くて優しい折戸さんに彼女が居ないわけない。例え、同じ会社の同僚とはいえ二人で出掛けるのはよくないし、彼女さんに申し訳ない。だから、断ることにした。折角のお誘いだけど、私はそれに行くべきではない。


　申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
　

「お気持ちだけ頂いておきます。会社の同僚とはいえ、一緒に出掛けるのは折戸さんの彼女さんに申し訳ないです。でも、誘って貰って嬉しかったです」


　誘って貰ったのは本当に嬉しかった。土曜日に一緒に出掛けようと言ってくれた男の人は折戸さんが初めてだったから。


　私がそういうと、折戸さんはフッと優しい笑顔を私に向ける。その包み込むような優しさに最後の語尾が消えていく。


「俺、今は彼女居ないし、もし居るなら絶対に女の子と二人で出掛けたりしない。坂上ちゃんが心配することないよ」


　そこまで言われると何も言えなくなる。どうしようか悩んでいると、折戸さんはまた綺麗に微笑んだ。


「絶対楽しいよ。保障する。だから一緒に行こうよ」


　私は折戸さんの顔を見ると、もう断れなくて…頷いていた。







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