強引男子にご用心!
「そこは照れるんだな」
そんなのは、
「当たり前でしょうが!」
「いや……初々しい反応も悪くねぇよ」
ニヤニヤ笑われて、睨み付けながらも手を繋いで歩く。
普通に手を繋いで、自然に歩けるようになった。
そうなったのは嬉しいけれど。
嬉しいけれど、どこか悲しい。
どうして、あの時に出来なかった事が、今は出来るようになったんだろう。
今は出来るけれど、昔は出来なかった事で……
綾瀬晃司くん。
それは昔、私が好きになって、そして傷つけた彼の名前。