心動

ぱしっとその菫の手首を持った手が払われる。
少女はびっくりして、払った相手を見る。
「何してるの?」
そこに居たのは、榛名だった。

「何って、菫が」

「三葉さんが何したの?」
榛名の顔は笑っていなかった。
今来たであろう、榛名は鞄を持ったままであった。
「貴方には関係ないことよ!」
「関係なくても、言葉の暴力はいけない」

ポニーテールの少女は、悔しそうにして
「許さない」と言って、教室から出ていく。
榛名は、ふぅとため息をつくと、小さくなっている菫に視線を移した。
耳を塞いだまま、聞こえないでと何度も呟いていた。
「三葉さん、大丈夫だよ?三葉さん、」
そう声をかけるが、その状態は変わらなかった。
不安になった、榛名は菫を抱きかかえて保健室に連れていこうとした。

「なに?!何があったの?ちょ、どいて!!」
騒がしく梅が教室に入ってきた。
「菫!!!菫!!!」
榛名に抱きかかえられてる菫が、ひどい状態なのがすぐわかった。
榛名は保健室に向かうと梅に言うと付いてきた。

そして、知る限りの事情を梅に全部話した。

「・・・くそ。油断してたわ私も」
と梅が頭をかかえる。
「その子ってなに?どういう関係?」
落ち着いてゆっくり眠っている菫の頭を優しくなでる榛名。
無理に答えなくてもいいけどと後付けして言うと。
梅はぽつりと話始めた。

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