【企】恋する君に口づけを
「い、いまはあたしが告白する番なの。 …康太はどいてっ」
あたしは康太のことをドンッと押して、スタンドマイクの前に立つ。
胸がすごくドキドキしてやまない。
すうっと深く息を吸って、はあっと息を吐く。
「あたしは……、林康太のことが好き、です」
小さな小さな声が、マイクをとおして体育館内に大きく響き渡る。
「は……」
隣では康太が目を見開いてあたしのことを見ていた。
あたしと康太の気持ちは…同じだったってことだよね?
さっき康太に告白されたけど、まだ自信がない。
「康太のことが好き!」
マイクの存在を忘れてて、思わず大きな声を出してそう言うと、キーンと不協和音が鳴り響いた。
『きゃーっ』と大きな声があがって、会場にいた人全員がはやし立て始めた。