素顔のマリィ
「君は……、桜にとても良く似ている。
面接の時、ひと目見てそう思った。
でも、それが合格の理由じゃないよ。
確かに僕の面接点は甘かったかもしれないけれど、合否の判断は僕の裁量の範囲外だ」
「はい」
「山下さんにも、君の写真を見せたんだ。
そしたら彼も同じ意見で。
だから、君がこの会社に入社して配属先を販促課にしてもらったんだ」
「えっ?」
「それくらいの人事権は僕にもあるんだよ。
彼はとても喜んで、毎日とても楽しそうだった。
君のお陰だ」
「わたしも、毎日楽しかったです」
「僕もね、君といると何故だが気が安らぐ。
それは、君が桜に似ているからってだけではないと思う。
山下さんも、僕の君に対する想いを察して、実は応援してくれていたんだ」
「えっ?」
「僕は君が好きだ。どうか、僕と付き合って欲しい」
常務からの突然の告白。
真っ直ぐな瞳で見つめられ、わたしは身動きできなくなってしまった。