素顔のマリィ

「それで僕が納得すると思う?」

「それでもわたしの決心は変わりません」

「僕が納得できなくても?」

「納得するまで話し合います」

「マリィ……」

「わたし、あなたがわたしをそう呼ぶ度に、ルカを思い出してしまう。

それが苦しいの」

「マリィ?」

「ルカだけがわたしのことを『マリィ』と呼んだの。

それなのにあなたは……

わたしは桜さんの代わりでしょ。なんでそこまでわたしに固執するの?」

「それは……、それは僕が君を愛しているからだよ」

「わたしはあなたを愛せない。

わたしの心はルカのものなの」

「報われない思いでも?」

「だって、それがわたしなんですもの」

素顔のわたしは泣いていた。

涙が溢れて止まらない。

捨てられても、見捨てられても、流加を思う自分が愛しい。

いつだってわたしは流加の背中を追っていたい。
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