クレームの女王
カバンからスマホを取り出し
自分の指の指紋を軽く押し当てると立ち上がるスマホ。


光沢のある赤いスマホカバーが
この部屋の中にある唯一の色のように

光り輝いて見える。


「とりあえず…知恵袋でも見てみようかな」


麗華は自分と同じように店から
弁償を請求された人間の相談がないかと


知恵袋のページを開いて検索をかけた。


それにしても知恵袋は本当に役に立つ。


何でも分かってしまうこの知恵袋のページを
麗華は普段から気に入って読んでいた。


今回のピンチも知恵袋が何かヒントをくれるだろう。


麗華がわらにもすがるような気持ちで
スマホを眺めていると背後に気配を感じた。


少しおびえながら後ろを向くと
そこには店長がお茶をもって無言で立っていた。


店長の顔は眉が吊り上がっていて
とても怖い顔をしている。


麗華が脂汗を流しながら店長を
見つめていると


次の瞬間店長は意外な行動に出た。

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