クレームの女王
遺体が霊柩車でマンションへと運び込まれ
着々と葬式の準備が進んでいく。


憔悴した顔を作りながらも
麗華の頭の中は注文した


バッグのことで頭がいっぱいだった。


家の中にたくさんの人が入ってくる。


葬儀社の人が祭壇を用意して
布団を敷いていく。


この家の主人の物言わぬ帰宅を
たくさんの人が出迎えて


最期の別れの準備をしている。



そんな状況で、さすがにスマホを覗くわけにもいかないので
トイレに行ってマホを立ち上げる。



バッグの配達状況を息をのんで確認する麗華。


ご注文の荷物は最寄りの集配所まで運ばれました。
到着予定日、3日後。


あと三日でバッグが自分のものになると思うと
もう落ちつかない麗華。


狭いトイレの中でスマホを握りしめて
そわそわとしている。
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