クレームの女王
完全に誰かに操られている。


霊だ。何かの霊に
取り憑かれたに違いない。


自分はバッグを返したいのに。


そう。これは霊が悪いんだ。
悪いのはいつも自分以外の何か。


私は悪くない。
私はいつも正義。


麗華は何かに操られたかのように
ダンボールのガムテープを剥がして行く。

やがて麗華の目の前に現れた
ブランド物のバッグ。

高級品の輝きと風格に触れて
恍惚の表情を浮かべる麗華。

さっそくこの前買ったブランド物の
財布を中に入れてみる。

「思った通り似合っている」

そうつぶやく麗華。

麗華はバッグを持って立ち上がる。

向かったのは鏡の前。

バッグを持った自分の姿を
見たかったのだ。

ワクワクした気分で鏡の前に立つ麗華。

だが麗華は自分の姿を見て
また溜め息をついた。
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