クレームの女王
豪華なバッグに比べて
貧相な自分の姿。


鏡にはありのままの
残酷な現実が映し出されている。

服もダメ。髪だっていつ美容院に
行ったか覚えていない。


肌も冬の寒気に晒されて
乾燥しきっている。


これじゃダメ。
話にならない。

ブランド物のバッグに持つ資格は
自分にはない。

黙り込む麗華。

身体がかすかに震えている。

次の瞬間麗華は鏡を引き倒した。

割れたガラスが部屋に差し込む
日の光を反射してキラキラ光っている。

「こんなウソを写す鏡は壊す。
ただそれだけ」

そう嘯く麗華。

麗華の破壊の衝動が
まだ部屋の中に響き渡っている。
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