クレームの女王
この状況が分からず思わず麗華は
手に持っているスマホに目をやった。


すると、店長の先ほどの言葉が
頭に浮かんでくる。


「ネットでの拡散はどうかご勘弁ください!」


麗華はなるほどという顔をした。
表情にどこか余裕を感じる。


麗華はわかったのだ。


この店長はスマホを見つめる麗華を見つけて
この店の悪評をネットにばらまいていると


勘違いしたのだろうと。


今は数々のSNSが乱立する時代。


そこで悪評を流されると
こんな小さなスーパーはひとたまりもなく


売り上げ減少につながる。


土下座する店長の上に貼ってある
売り上げ目標達成のポスターをちらりと見る麗華。


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