クレームの女王
それに今回の事故は店の備品であるカートが
管理がずさんなばっかりに壊れてしまったという
店側の非もある。


店長は観念したのだろう。
ひたすら謝るしか道がないことに。


「お子様の怪我が大したことがないのは不幸中の幸いでした!
しかし、奥様に与えた不安は如何ばかりかと思うと


胸が張り裂けそうになっております!」


ほぼ絶叫をして謝り続ける店長を見て
苦笑いを浮かべる麗華。


自分に非があるときは人が驚くぐらい
大げさに謝った方がうまくいくと


ビジネス書によく書いてあるのを
鵜呑みにしたかのような店長の大声の謝罪が


麗華は少々ウザくなってきた。


「とりあえず…顔を上げて椅子に座ってください。
土下座されちゃ話もできないし」

麗華はそう店長に声をかける。
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