クレームの女王
ヘルメットを抱えた旦那が
スクーターに乗り込む姿が見える。


ほくそ笑む麗華。


早くキーを指してエンジンをかけ
バイクで走り去れ。


あんな奴は少し痛い目に遭った方がいい。


私は正義であいつは悪。
これだけは間違いのない事実。


麗華はベランダの陰から
旦那の様子をのぞき込む。


ヘルメットをかぶった。
キーを回した。


その様子を見る麗華の表情は
いたずらを楽しむ子供そのもの。


そう。


ブレーキを壊すという行為は
麗華にとってはいたずらだったのだ。


少し痛い目に遭えばいいという軽い気持ち。
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