優*雪

土方目線

あれは、雪?

いつもと違った?

捕縛優先と、いつもうるさいのに



迷わず刺した

その上、笑っていた……


今は、物音で駆けつけた総司に
看病を任せている

寝床を俺の隣の部屋へ移した


片時も離れるなと言ってある


山崎は、空き部屋で眠らされていた


「土方さーん!」

総司の声、起きたか……





「どうだ?」

「はぁ。はぁ。ここどこや?」

まだ熱があんのか、つらそうだ

「屯所だよ」

総司が優しく答える

「はぁはぁはぁ。あいつなんかした?」

「忍をやっつけましたよ!」

「殺したん?はぁはぁ」

「いえ、生きてますよ。」

「さよか……スースー」



「総司……忍をやったのは、誰だ?」

「雪之介ですよ」



「雪は、二人いるのか?」


「はい。江戸言葉と大阪弁の雪之介です
人を殺し過ぎるそうで、セツさんが恐れて戦えなくなって、不合格になったんです
新さんも、危惧したようで二人の雪之介を封印したようです」

「何で復活させたんだか」

「母親のつけてくれた名前だからです」
それと、セツさんを守る為です
人を殺したいわけでは無いんです」


「土方さん…
雪之介は、母に愛されずに育ったんです
それは、ひどい育て方だったようで
痛みを表情に出さないのも
母親の訓練みたいです」


「セツさんは、新さんが作った人格で
新さんがたっぷり愛情を注いだようです
セツさんが安定しているのは、人の愛がわかるからだそうです」


「人の愛がわからない雪之介たちは
お互いを否定しあって、それで……
でも、雪之介が大丈夫って言ったんです
私は、信じてます!
いつか、ちゃんとセツさんみたいに
笑えるって」



「総司… お前がいたら、雪之介は安心だ!お前を選んだ理由がわかったよ
雪之介を疑わない!お前の強さが雪之介には、必要なんだ!そばにいてやれ!」



総司を抱きしめるなんて、何年ぶりだ?

ただ細いだけの奴が、しっかり鍛えて大人になって、心までつえー

俺は、敵わねぇ

セツは総司が好きだろうな

におい袋……喜んでいたけど…

総司への気持ちに気づいてないんだろう



「もう!土方さんやめてください!」

「んあ?照れてんのか?」


「違います!!」

「なんかあったら、また呼べ!」



俺は部屋に戻った


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