優*雪
うちが最初に手当てしたのは、新田さん
ひどい怪我
できるだけのことはした
出血が多すぎる、一命取り留め
一目でも家族に逢わせたい
奥沢さんは、すでに亡くなってた
安藤さんは南部先生が治療してる
平助さんを山崎さんが治療してる
皆、たくさん怪我している
「セツ!総司を看てくれ!」
「え?」
総司さんの名前が出ると思ってなかった…
「新八さん!総司さん斬られたん?」
「いや。倒れたみたいだ!」
薬飲んでるのに…早すぎる!
総司さんを診察する
熱……胸の音はそんな悪くない
「夏風邪ですね」
「そうか。無理してたんだろう」
「あっ!新八さん! 手 !!」
「重傷者の後でいいよ」
「何言うてんの?見せて!!」
手の親指の所を縫っていく
「ありがとな…」
新八さんがうちの頭を撫でる
「まだ終わってへんよ?」
「終わったらすぐ帰んのか?」
「ううん。山崎さんのお手伝いするよ?」
「そうか。なら、安心だな!」
「なにが?」
うちが聴いてるのに、頭撫で続ける
嫌じゃないけど、返事は返してほしい