優*雪

うちが最初に手当てしたのは、新田さん

ひどい怪我

できるだけのことはした

出血が多すぎる、一命取り留め


一目でも家族に逢わせたい


奥沢さんは、すでに亡くなってた



安藤さんは南部先生が治療してる

平助さんを山崎さんが治療してる




皆、たくさん怪我している

「セツ!総司を看てくれ!」

「え?」



総司さんの名前が出ると思ってなかった…

「新八さん!総司さん斬られたん?」

「いや。倒れたみたいだ!」


薬飲んでるのに…早すぎる!


総司さんを診察する


熱……胸の音はそんな悪くない


「夏風邪ですね」

「そうか。無理してたんだろう」

「あっ!新八さん! 手 !!」

「重傷者の後でいいよ」

「何言うてんの?見せて!!」


手の親指の所を縫っていく

「ありがとな…」


新八さんがうちの頭を撫でる

「まだ終わってへんよ?」

「終わったらすぐ帰んのか?」

「ううん。山崎さんのお手伝いするよ?」

「そうか。なら、安心だな!」

「なにが?」


うちが聴いてるのに、頭撫で続ける



嫌じゃないけど、返事は返してほしい







< 193 / 255 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop